今は昔、百五十年余。
あるいはさらに昔の江戸の音。

その静かな余韻と、
今も産まれる幾多の響き。

その小さな音たちに耳を寄せ、
この土地の色を憶（おも）い、
現在（いま）を探る。

その先に新たな風景を胸に抱けるような、
そんな媒体（メディア）として、
『江戸のぉと』が在れば幸いです。

時空を超えた「音」を「きく」

古くは平安の時代から「江戸」と呼ばれたその土地は、幕府の開府以来急速な発展を経て巨大都市へと変貌し、明治よりその呼称を「東京」に変え、現代に至ります。

その土地で生まれ、今も静かに息付くその文化（≒価値観）とは一体何なのか。今を生きる私たちの生き方や考え方にどんな影響を及ぼしているのか。

『江戸のぉと』は、インタビュー記事を中心に、その文化の語り部たちが生み出す「音」の数々を発信し、そのユニークな文化をより身近に、肌で感じられるような媒体を目指して発足しました。

「聴く」や「聞く」という言葉は、「気来（きく）」を語源とし「音を発する人の気（＝エネルギー）が入って来る状態」を示すという説があるそうです。

時空を超えた「音」を「きく」ことは、ある人にとっては懐かしい響きとの再会であり、ある人にとっては初めて触れる響きとの新たな出会いでもあるでしょう。

『江戸のぉと』が発する「音」の数々が、それぞれの受け手にとって、自らの価値観の奥底や、新たな世界の片鱗を覗いたりすることにお役立ていただけたら嬉しく思います。

今までその空気を好んできた方も、そうでない方も。
これから『江戸のぉと』に響く「音」の数々を、是非お気軽にお楽しみください。

ー江戸のぉと編集部