いんごう

因業

意味
頑固で無情なこと。欲が深くて無慈悲なこと。
成り立ち
業(ごう)はサンスクリット語のカルマkarmaの訳で、行為一般をさす。インド、とくに仏教は、つねに行為を重視して、その分析が鋭い。行為において原因があり結果を生ずると、その結果はただちに次の行為に作用し影響を及ぼし、ときに原因となる現実のあり方を説いて、前の行為を「業因」または「因業」とよんだ。それを日本の中世以降は、悪い行為や結果の場合のみをとくに強調して、俗に強情で頑固な態度を因業と称するようになった。[三枝充悳]
用法・用例
「大家さん、それはいくらなんでも因業だ」「ああ、因業だよ、この界隈でも俺は因業大家で通ってるんだ」
『大工調べ』